黒柳さんはユニセフ親善大使として途上国の視察に行かれると、人々の生活やその国の経済状態を知るために、その国の市場を見に行くそうです。インタビュー後編では、アンゴラの人たちがアフリカで一番大きな市場と呼んでいる「ロクサンテーロ市場」のお話と、24年間ユニセフ親善大使を続けてくる原動力となった、黒柳さんの想いについて、お話を伺いました。
―― アンゴラの青空市場はいかがでしたか?

18年前にアンゴラに来たときは、50軒くらいしかなかったのですが、今回は、3500軒のお店が出ていて、とても大きくなっていていました。ひとり1メートルくらいの台の上で物を売っているというようなお店ですね。1日150円出せば誰でもお店を出せるというものです。1キロメートル四方の荒地みたいなところに、天井などなくて風がビュービュー吹いているような場所でした。お野菜やお魚、お肉、電化製品なども売っていましたね。カンカン照りの50℃もあろうかと思われるようなところで、冷蔵庫もないですし、お肉やお魚はハエが群がっていました。買っている人はほとんどいなかったですね。私たちがあまり見ないものとしては、羊の頭とか、羊の足みたいなものも売っていましたよ。そういうものも、栄養源ですからね。
―― アフリカの他の市場では、今まで見たことがなかったものがあったとか?
はい。食べ物だけじゃなくて、古着のお店があったのですが、印象深かったのは、白いウェディングドレスです。いくつものドレスが風で揺れていました。結婚する若い女の子たちの気持ちが伝わってくるようでした。内戦中の18年前にはありませんでしたから、平和だからこその風景だと思いました。
―― 他には何か珍しいものなど、ありましたか?

珍しいものとしては、煮炊きする炭が売っていましたね。初めて見ました。日本には干ばつなどがなく、雨が降って木もちゃんとあるのは、炭の文化があったから、という話を聞いたことがあります。エチオピアなどは、煮炊きをするのに木を使ってしまったから、今、木がなくなってしまって、雨も降らなくなってしまって。水がしみこむ循環が悪くなってしまうそうですね。そういう意味では、炭を使うようになったのは、すごくいいと思いますね。値段は、バケツ1杯120円くらいで安かったですが、6キロくらい離れたところまで行って手に入れてきて、小分けして売ったりしているようです。
―― アンゴラの物価については、どうでしたか?
街の中と地方の格差がすごいんですよ。地方のほうでは、先ほどの炭を小分けにして売って、1日
100円くらい儲かればいい、という商売ですが、街の中でランチを食べたら5,000円くらいしました。5,000円のランチなんて日本でも食べたことがないくらいですからね。それはもう、格差が大きいですよね。
―― 私たちにできることは、どんなことがあるでしょうか?

まずは、アンゴラという国で、今、何が起っているかを”知る”、ということが大事だと思います。内戦が起って、石油が出たりするとどういうことが起こるのか、マラリアという怖い病気があることや、蚊がそれを媒介することなど。まずは、そういうことを知るというのが大事なんじゃないでしょうか。関心を持つこと。そういうことに関心を持ったことで、今度は自分の身の回りのことにも関心を持つようになる。アンゴラまで行かなくても、もっと身近なところで、たとえば、いじめられている子がいたら、助けてあげるような。何かできるのではないかと思いますよね。一生懸命、考えれば。私が伝えることで、みなさんが、アンゴラとかそういう国に関心を持ってくださるだけでもいいな、と思っています。募金してくださればもっとありがたいことですけれど、でも、まず関心がないことにはね。こういうことに関心を持つことで、自分の身の回りでも、何かできることがあるにちがいないのね。子どもを抱いてあげることも。何かしてあげられることはいくらでもあると思うのです。
―― 最後に、黒柳さんがユニセフ親善大使を24年間続けてこられた
その原動力となっている想いについて教えていただけますか?
やっぱり、一度そういう子どもたちに会ったら、やめる、ということはできないですよね。自分に少しでもできることがあるのなら。そんなに沢山の子どものことは救えなくても、一人でも救えればいいじゃないか、というそれくらいの気持ちでやっています。だって、一人の命を救うのも大変じゃないですか。だから、少しでも何かできれば、と。そして、行動すること。仲間はずれになっている子がいたら、見るのはやっぱりつらいでしょう。みんなだってそう感じると思う。だから、ちょっとでも何かできれば、と思うんです。
私が通っていた、トットちゃんの学校(トモエ学園)でね。「みんないっしょにやるんだよ」って校長先生がずっとおっしゃってくださっていました。体の悪い子でも障害を持った子でも、「みんないっしょだよ」って。「助けてやりなさい」っておっしゃったことはないんですよね。だから、私は、「みんないっしょにやるんだな」とずっと思っていたんです。それが、根底にあるんだと思います。だから、みんないっしょにやっているんだとすれば、アフリカの子もアジアの子も日本の子も、みんな、少しでも暮らしがよくなったらいいんじゃないの、と思う、そんな気持ちでやっています。
―― 「みんないっしょだよ」、素敵な言葉ですね。
本日はお忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。

こちらこそ、ありがとうございました。
ただ、今回のアンゴラは大変でしたね。行くのに35時間かかるんですよ。向こうに着いて、「ちょっと、テレビ撮ります」って言われたとき、ふと気づくと、35時間前に日本でやったお化粧のまんまなのよね。相当すごいことだな、と思いましたね(笑)。
(黒柳さんは、最後まで、楽しくお話をしてくださいました。)
舞台が終わった後、テレビ番組のナレーション録音の前という、お忙しいスケジュールの合間でしたが、こころよくインタビューに答えてくださいました。途上国視察に行かれるときには、感染症予防のために何種類もの予防注射をして、マラリアの薬などは帰国後もしばらく飲み続けなければならないそうです。そんな状態でも、24年間、毎年、ユニセフ親善大使としての視察活動を続けているというのは、本当にすごいことだと思いました。
そして、黒柳さんの想いの原点にある「みんないっしょだよ」というトモエ学園の校長先生の言葉がとても印象的でした。私たちは一人じゃない。家族がいて、友達がいて、仲間がいる。そして平和であることの幸せをもっと感じて、感謝して生きていきたいと思いました。黒柳さんのキラキラした瞳の奥に温かい優しさを感じた「想い伝え隊」でした。
by ニフティ「想い伝え隊」大空
募金のお願い世界の子どもたちへ、募金をお願いします。 |
トラックバック
このエントリーのトラックバックURL
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/508788/40497642
※インタビュー記事に対して、リンクおよび言及のされていないトラックバックは削除することがありますので、ご了承ください。





コメント
子供の笑顔を見ると心和みますね
黒柳さんも 幸せそうな 素敵な笑顔
彼らの映像を見る度 豊かさとは 一体何なのだろうかと 考えさせられます
毎日 ご飯を食べられるという幸せ
シャワーを浴び ベッドで寝る事が出来
眠い目の我が子に 本を読んであげられるという ひと時
自分に与えられている状況に 今一度 感謝しなければなりませんね
今日は 子供に対し 不必要な望みを押し付ける自分に 少々 落ち込んでしまいました
笑顔が一番 健康が一番です
改めて そう思います
ユニセフスタッフの皆さんの ご活躍 陰ながら 応援させて頂きます
投稿: no name | 2008年5月 7日 (水) 22時31分