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Vol.01 黒柳徹子さん(前編) 内戦の後遺症に苦しむアンゴラの子どもたちは今

1984年にユニセフ親善大使に就任以来、毎年欠かさず途上国の視察に行かれている黒柳徹子さん。「世界中で、今、一番、助けを必要としている国に行き、そこの子どもたちの状況をしっかり見て、みなさんにお伝えするのが一番大きな仕事です。」とおっしゃる黒柳さん。去年訪問された内戦の後遺症に苦しむアフリカのアンゴラのことを中心にお話を伺いました。

―― 今回、アンゴラは、18年ぶり2回目の訪問ということですが、
      前回と比べて、どんな変化を感じられましたか?

首都ルアンダの街
【首都ルアンダの街】

18年前は内戦の最中でした。27年間も内戦が続いており、ガラス窓は割れて建物は壊れて、まるでゴーストタウンのようでした。街には、地雷で片足を失って松葉杖をついた兵隊さんと路上で生活をするストリートチルドレンしか見かけないほどでした。今回はというと、5年前に内戦が終わってから、石油が取れるようになって、今はアフリカ第2位の産油国になりました。街中、建設ラッシュと車の渋滞で、経済成長率は20%を越えています。もともとがポルトガルの植民地でしたので、建物はピンク色とか黄色などに塗られ、電飾がついている建物もあって、18年前とは全然違っていましたね。でも、貧しい人たちの生活はちっとも良くなっていなかったです。

―― 子どもたちはどのような状態なのでしょうか?

田舎の人々の生活(洗濯風景)
【田舎の人々の生活(洗濯風景)】

石油が見つかって、子どもたちの状態も良くなったかと思っていたら、そんなこと全然なくて・・・まず、内戦で親を失った孤児がすごく多い。さらに、エイズが増えたこともあり、エイズ孤児も多い。かつての植民地政策で、人々は教育を受けていなかったので、田舎のほうにいくと、識字率(字を読み書きできる人の割合)はほとんどゼロに近いくらいでした。日本の識字率は100%ですよね。アンゴラでは学校に行かれない子どもがいっぱいいて、教室が足りない。先生も足りない。電気をつけて、夜のクラスを作りたい、と言っても、電気がない。発電機もない。失業率も高いから、子どもを育てられず、捨てられる子も多い。子どもたちはそんな状況で、とっても大きな格差を感じました。

―― 政府はそのあたりを認識して、何か動いてくれているのでしょうか?

やっているとは思いますが、地雷がまだ800万個も埋まっているそうなので、日立建機の地雷除去機を2台買って、除去しているようですが、800万はただならない数ですからね。今でも地雷で亡くなったり、足を無くしたりする人がたくさんいます。壊れた橋の復旧やら建物の建設ラッシュは目に見えるのですが、子どもたちのところには、なかなか手が届いていない。そんな状態でした。

―― アンゴラは、乳幼児死亡率(0歳から5歳)が世界で2番目に高いと
    聞いています。大きな原因は何なのでしょうか?

蚊帳を受け取るお母さん
【蚊帳を受け取るお母さん】

一番多いのは、マラリアですね。アンゴラでは、年間320万人の人がマラリアにかかり、その3分の2は、5歳より小さな子どもたちなんです。マラリアは蚊が媒介するので、日本政府はユニセフを通じて、妊婦や小さな子どものいるお母さんたちに、防虫処理をした蚊帳(かや)を配っています。少しでも蚊にさされるのを防ぐように、と。それから、お水も良くないですね。だから、コレラも蔓延しているし、栄養失調の子どももたくさんいました。

―― 訪問先で出会う子どもたちを、たくさん抱きしめてこられるそうですね。

母のぬくもりを感じたのか動こうとしない子ども
【母のぬくもりを感じたのか動こうとしない子ども】

つらい思いをしてきた子どもたちの中には、笑顔どころか涙さえ出ない子どもたちもいます。みんな殺されて、親も兄弟もだれもいない孤児たちは、愛してくれる人を待っています。子どもたちが欲しいのは、食べ物や薬や教育はもちろんだけど、やさしく温かい手、やさしい声、お母さんのにおい、ぎゅっと抱きしめられたときの感じ、そういうものもあると思うんです。だから、私が子どもたちを抱きしめることで、子どもたちが少しでも穏やかな気持ちになってくれればいいな、って。

―― 抱きしめてあげるだけでも、子どもたちのためになるんですね。
     そのほかに子どもたちがよくなる手だてはあるのでしょうか?

今回、自分の家にも子どもが7人もいて貧しいのに、孤児の子どもを引き取ったお母さんに会いました。私が「家も小さくて自分の子どももたくさんいるのに、どうして養子をもらうんですか」と聞くと、「だって、家族がいたほうがいいじゃない。家族がなかったらかわいそうじゃない。やっぱり、そういうのって必要じゃない?」って。これを聞いたとき、「日本でもそうなんです!」って、本当は言いたかったですよね。こんなに経済的に豊かになった日本だって、やっぱりみんなが欲しいのは、たとえ物がなくても、あったかい家族が本当は欲しいんです、って。。
(この時、黒柳さんの瞳が潤んでいらっしゃいました。)

―― フォスターファミリーについてお話を伺えますか?

「これを覚えるとお友達ができるから」とI love you(アイ・ラブ・ユー)の手話を教えている
【「これを覚えるとお友だちができるから」と
I love you(アイ・ラブ・ユー)の手話を教えている】

いろんな状況で、子どもを産んだけど、育てられなくて困って捨てる人がいます。だから、孤児が多いんですよね。そしてその孤児を、貧しくてももらってくれる人たちがいる。今回訪れた聖ジョアオ教会では、神父さまが「愛のある家庭を子どもたちに」と、孤児たちを養子として引き取ってもらう”フォスターファミリー”の活動を進めていました。あるお母さんが養子にした子どもは、6才くらいの女の子でしたけれど、両耳が聞こえず、片目が見えない子でした。そのお母さんに、「彼女を貰ったとき、それを知っていたんですか?」と聞くと、「知っていました」と。それでも、その子を育てていこうと思うのがすごいと思いましたね。帰り際に、神父さまが「一緒に行きましょう。同じ道を。」とおっしゃいました。それが、子どもを大切にしていきましょう、という意味だとわかり、胸がつまりました。

写真 田川一郎

ユニセフ親善大使として途上国の視察に行かれ、苦しい状況にいるたくさんの子どもたちを見てきた黒柳さん。でも、どんなに胸が痛くなる光景を見ても、歯を食いしばって泣かないようにされているそうです。そんな余裕はないし、だいいち、子どもたちに失礼だから、と。

アンゴラは、ダイヤモンドと石油が採れる国。何もなければ、人々は豊かに暮らせているはず。
なぜ、このようなことになったのだろう?アンゴラの内戦って、なぜ起きたのだろう?
黒柳さんのお話を聞いて、そんなことを考えさせられた「想い伝え隊」でした。

【次回予告】
次回、黒柳さんのインタビュー(後編)では、アンゴラの青空市場のお話や、黒柳さんがユニセフ親善大使を24年間続けてこられたその原動力となっている想い、などにについてお伺いします。
その青空市場では、今までアフリカの市場で見たことがないものを見つけて驚いたそうです。
黒柳さんは、いったい何を見つけたのでしょう?
答えは、以下にご紹介するテレビ番組の中にも出てきますので、こちらもお見逃しなく!
(番組の感想などは、コメント欄に是非お書きください。番組を作られた方々にお届けします。)

by ニフティ「想い伝え隊」大空


黒柳徹子さんインタビュー(後編) >>

「黒柳徹子」さんからのお知らせ

テレビ放映

今回のアンゴラ視察のドキュメンタリーテレビ番組放送のお知らせです。

産油国・豊かさの中で死ぬこども
~黒柳徹子のアンゴラ報告~

2008年5月24日(土) 午後4時00分~5時25分
朝日ニュースター(CS) 番組放送

2008年4月10日(木) 午後1時20分~1時55分
テレビ朝日系列 『徹子の部屋』にて ダイジェスト版放送(終了しました)

2008年3月23日(日) 午後2時~3時25分
テレビ朝日系列 番組放送(終了しました)

詳しくはこちら >>

募金のお願い

      世界の子どもたちへ、募金をお願いします。
      毎年の訪問国をはじめ、世界の子どもたちのために、
      ユニセフを通し、その時に一番必要なものを届けます。

ユニセフへの募金はこちら(黒柳徹子公式サイト「おねがいチャンネル」) >>

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コメント

小さなことから始められるとあらためて思いなおしました。
これからも頑張ってください。

投稿: ハルエ | 2008年4月17日 (木) 13時35分

とっとちゃん 頑張ってください
私も 募金 頑張ります!

投稿: itoh | 2008年3月24日 (月) 09時47分

地雷が埋まっていると、自由に歩いたり走ったりできないから、怖いし、悲しいと思いました。地雷をどうやって取っている(除去している)のか、知りたいです。
国(アンゴラ政府)は、田舎の人たちのことも考えてほしいと思いました。

投稿: なお(小5:母代筆) | 2008年3月23日 (日) 18時05分

テレビ番組を見ました。アンゴラの人たちの生活を垣間見て、今の日本の自分達の生活はとても恵まれていると感じました。平和であることは幸せなことなんだと改めて思いました。

勉強したくてもできない状況にあるアンゴラの子ども達。でも、日本には、仕方なく学校に行って勉強をさせられていると感じている子ども達もいるかと思うと、なんとも切ない気持ちになりました。

最後の、黒柳さんのユニセフからのメッセージを聞いて、目頭が熱くなりました。私にできることは限られているかもしれないけれど、少しずつでもいいから何かやりたいと思いました。そんな小さな力がたくさん集まれば、世界はきっともっとよくなると信じています。

投稿: みどり | 2008年3月23日 (日) 16時41分

UNICEFに少しばかり寄付をさせていただきましたが、なんともいたたまれない気持ちです。もっと多額の寄付ができたり、黒柳さんのお手伝いが直接できるようになりたいと思いました。世界中の子どもたちが、魂のレベルで幸せになれるような世の中にしていきたいと思いました。それから、インターネットの会社というのは、お金儲けの事ばかり考えているように感じていましたが、ニフティでこのような記事を取り上げてくださいまして、本当に感謝しています。プロバイダー老舗のニフティは、一味違うと感じました。これからも社会を良くしていくことに貢献できる事業に期待したいです。

投稿: 車寅次郎 | 2008年3月21日 (金) 10時11分

テレビ朝日があまり宣伝していないのか、番組をこのブログで知りました。23日は絶対に見ようと思いました。

投稿: ホワイト学割 | 2008年3月20日 (木) 23時26分

私は今ちょうど、黒柳さんの著書”トットちゃんとトットちゃんたち”を読んでいて、昨日「アンゴラ 1989年」を過ぎたところでした。内戦が終わっても、貧しい子どもたちの暮らしは変わってないとの事、とても胸がいたいです。このメッセージを読んで、私たち家族が普通に暮らせている有り難さを、改めて感じました。小さいわが子達は何て幸せなんだろう、と寝る前に寝顔につぶやいているところです。23日の番組、楽しみにしています。

投稿: 上野 節子 | 2008年3月20日 (木) 21時35分

すごく良かったです。
いつもテレビでごみの山で働く女の子やいろんなものを見て、
自分にはちょっとの募金が出来るだけ。。。
彼女は助からない。そんなやりきれない気持でいっぱいでした。
こうして黒柳さんの活動を拝見して、少しほっとしたし、
自分も募金が無駄ではないと思うことが出来ました。
いつか一緒に活動できるといいな。。。

投稿: のむりえ | 2008年3月20日 (木) 18時53分

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